ABOUT
妖怪は、その土地の暮らし・地形・祈りが生んだ語りです。川の深さ、夜の暗さ、説明のつかないもの——昔の人は、それを「かたち」にしてきました。わたしたちは、それを怖がらせるためではなく、土地の記憶として、出典をたどりながら記録します。
河童の頭の皿、座敷童子の子どもの姿——いま思い浮かべる妖怪のかたちは、鳥山石燕『画図百鬼夜行』をはじめ、江戸から明治の絵師たちが伝承を描き留めたものに由来します。わたしたちは、その先人が定着させた姿を勝手に作り変えず、忠実に踏襲します。新しい妖怪を発明するのではなく、闇が生んだかたちを受け継ぐ。石燕は木版、のちの絵師は墨と筆、そしてわたしたちもまた、いまの筆で。道具は変わっても、向き合う相手は同じ——夜の向こうの、見えないものです。
光のない夜があったから、人は橋の下や淵の底に「何かいる」と感じられました。妖怪は、闇が生んだ想像力のかたち。光に満ちた令和から、わたしたちはその気配を、できるだけそのままのかたちで手元まで運びます。発明ではなく、橋渡しです。
語りの出どころを明記します。確認のとれた情報だけを載せます。
ひとつの正解に決めつけず、複数の説があればそのまま並べます。
伝承の地・聖地巡礼の入口を添えます。土地に会いに行けるように。
畏れはあっても、煽らない。夜道の静けさ、囲炉裏端の語りの温度で。