妖怪は、災いの記憶を運び、やがて人に遊ばれるものにもなった。北の丸公園の二つの建物を歩けば、その両方を一日でたどれる。

災いの記憶を、妖怪から読みなおす
地震、風水害、土砂災害、感染症。科学技術館のパネル企画展「百鬼騒乱 ~災いと妖怪伝承~」は、各地の伝承に残された神や妖怪をたどり、そこから得られる教訓、人々の祈りや願い、そして災害をめぐる科学と技術を紹介する。
昔話の向こうにいる妖怪を見るだけではない。土地の人々が災いをどう記憶し、次へ渡そうとしたのか。その知恵を、いまの防災へつなぎ直す展示だ。

二百メートル歩くと、もののけが遊びはじめる
科学技術館から国立公文書館までは約二百メートル。国立公文書館の「遊ぶ もののけ ―妖怪と幻獣の江戸時代―」では、凶事を予言する脅威だった怪異が、江戸時代に「もののけ」へと変わり、人々が日常の不思議として楽しみ、書籍や記録に残していった姿を紹介する。
十八世紀中頃の本草書『日東本草図纂』では、もののけまで研究の対象になった。文化・文政年間の噂話を集めた『街談文々集要』には、猫のたたりや怪魚が登場する。怖がるだけではない。調べ、描き、書き留め、誰かに話す。江戸の人々がもののけと遊んだ手つきが、資料の頁に残っている。

展示替えのたび、別のもののけに会う
国立公文書館では、資料保存のため会期中に一部資料の場面替えを5回行う。『日東本草図纂』と『街談文々集要』などの頁が替わるたび、展示室に現れるもののけも変わっていく。






二館のあいだも、展示になる
会期中は、国立公文書館所蔵資料の複製が科学技術館へ出張する。二館を回るスタンプラリー、科学技術館の入館券を国立公文書館で提示して受け取るオリジナル記念品、妖怪を題材にしたワークショップとトークイベントも予定されている。
災いから、もののけへ歩くか。江戸の遊びから、土地の記憶へ戻るか。どちらから巡っても、北の丸公園の二百メートルが二つの展示をつなぐ。
開催概要
特別企画 北の丸大妖怪展
会期:2026年10月16日(金)〜12月6日(日)
会場:科学技術館、国立公文書館 東京本館
科学技術館「百鬼騒乱 ~災いと妖怪伝承~」
場所:4階サイエンスギャラリー(東京都千代田区北の丸公園2-1)
時間:9時30分〜16時50分
料金:科学技術館の入館料が必要
休館日:10月21日・28日、11月4日・11日
国立公文書館「遊ぶ もののけ ―妖怪と幻獣の江戸時代―」
場所:東京本館1階展示ホール(東京都千代田区北の丸公園3-2)
時間:火〜日曜日 9時15分〜17時
料金:無料・予約不要
休館日:月曜日。ただし11月23日・30日は開館、11月24日は休館
関連イベント
・展示解説会:10月22日、10月30日、11月18日。各回14時開始、約40分。国立公文書館 東京本館4階会議室。無料、各回40名、事前申込制。詳細は公式サイト(国立公文書館)で案内
・コラボ記念ワークショップ:11月1日、科学技術館。当日整理券制、有料(入館料別)
・コラボ記念トークイベント:11月4日、国立公文書館。参加無料。詳細は公式サイトで順次案内
情報は科学技術館・国立公文書館の公式情報に基づく(確認日:2026年10月16日)。会期・内容等は変更される場合があります。おでかけ前に各館の最新情報をご確認ください。掲載画像は科学技術館および国立公文書館より提供を受けた広報素材です。
本文は出典の内容を自分の言葉で要約したものです。原典の長文転載は行いません。異説がある場合は併記し、確認のとれた情報のみを掲載します。記載に誤り・異説をご存知の方はおたよりからお知らせください。
