徳島県美波町由岐では、秋祭りが一日で終わらない。九月から十月にかけて、海沿いの地区が次々に自分たちの祭りを開く。神輿、子ども神輿、大名行列、獅子舞、だんじり、花火。場所が変わるたび、同じ秋が別の姿になる。
西の地岡崎神社では神輿と鬼が町を練り歩き、夜には山車と花火が加わる。西由岐八幡神社では大ねり、小ねり、鬼の行列が進み、神輿は潮を見ながら海へ入る。
鬼は、海へ向かう列の中にいる
ここで鬼だけを切り抜くと、土地の祭りが見えなくなる。鬼は神輿や子どもたち、囃子、海へ続く道と一緒にいる。妖怪の姿を見に行くというより、人と神が海まで移動する列の中に、異形が混ざっているところを見る祭りである。

秋が、集落を渡っていく
九月の鬼行列が終わっても、祭りは別の地区へ渡る。九月末時点でこれから開かれるのは、阿部、志和岐、伊座利の三つの祭りだ。十月三日から五日の阿部を経て、志和岐では十日に太鼓神輿が動き、十一日は神輿が地区を巡って午後に海へ入る。伊座利では十四日に太鼓神輿、宵宮、神輿、獅子舞、夜の花火が続き、十五日に本祭を迎える。
一つの大きなイベントへ集約せず、小さな土地が順番に秋を担う。連続秋祭りという名は、日程が長いという意味だけではない。隣の集落へ手渡されるたび、土地ごとの違いが現れる仕組みそのものを表している。
2026年の開催概要
全体会期:2026年9月6日〜10月15日
西の地岡崎神社の鬼行列:9月13日実施済み
阿部宮内神社祭:10月3日〜5日
志和岐吉野神社祭:10月10日〜11日(10日は午後から太鼓神輿、11日はおおむね9時〜15時に神輿巡行、午後に海へ入る。だんじりは展示のみ)
伊座利新田八幡神社祭:10月14日〜15日(14日は正午頃から太鼓神輿、宵宮、神輿、獅子舞、19時30分頃から花火。15日は本祭。だんじりは展示のみ)
会場:徳島県美波町の各地区
時刻・進行は天候、潮、現地事情により前後する
美波町の公式情報とご担当者からの回答に基づく(確認日:2026年9月29日)。会期・時刻・内容等は変更される場合があります。おでかけ前に公式の最新情報をご確認ください。アイキャッチと本文挿絵は当サイト制作のイメージ画で、実際の祭りの写真ではありません。
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